要介護者を家にひとりにせざるを得ない現実
夫婦共働きがあたりまえとなってきた現在において、さまざまな介護サービスを利用しても、どうしても介護が必要な家族を家にひとりにせざるを得ないことはあります。
遠距離介護の場合は、要介護であっても基本的に一人で暮らしをしているというケースも多いでしょう。
介護サービスを提供する事業所に鍵を預けるといったことがあります。
一人では鍵が開けられない家族のために、ヘルパーさん自らが鍵を開けて、家に入ってもらうためです。
地域包括ケアシステムが進み、24時間対応の訪問サービスや夜間対応型訪問介護の普及するにつれて、「介護事業所に鍵を預ける」という機会は増えていく可能性があります。
キーボックスを使っているケースもある
介護事業所の鍵を預けずに、現状、キーボックスをつけて、ロック番号のみを介護事業所に伝えるというケースもあります。
「介護事業所が鍵を預かること」はデメリットでしかない
当然ながら鍵の管理は厳重にする必要があります。そのため、介護事業所側には管理コストが発生します。また、実際の介護サービスを提供する派遣ヘルパーは介護事業所に寄らず、直接利用者宅に向かうことがほとんどです。しかし、鍵が必要となると、鍵を管理している介護事業所に寄らなくてはいかず、その分のコストも発生します。このように介護事業所側に負担となるにもかかわらず、介護保険上、加算があるわけでもなく、別途自費で利用者から費用をもらうということも、私が知る限り聞いたこともありません。利用者側が鍵を預けることに抵抗があるでしょうし、介護事業所側もこのようにデメリットしかないのです。
鍵の共有ができるスマートロック
このような現状を解決するひとつの案として、スマートロックが考えられます。スマートロックを鍵に設置することで、遠隔からスマホにより開錠/施錠が可能です。また、ゲストに対して鍵を共有することもできるので、介護事業所に鍵を一時的に渡すことも可能です。
SESAMI miniを使ってみた
以前はQrioを試してみましたが、反応もおそく結局使わなくなってしまいました。今回はスマートロック界隈では評価の高いSESAMI miniを試してみました。
Amazonのサイトには、「セサミ」と「セサミ mini」がありますが、miniの方が最新の方で、日本の住宅用にコンパクトなサイズになっています。qrioと比べてもかなり小さいです。スマホで操作すると、qrioとは比べようがないくらい、反応が早いです。
スマートスピーカー(Echo(Alexa)やgoogle home)とも連携可能
Alexaで開錠している動画が以下になります。
聞こえにくいですが、以下のような会話となっています。
「アレクサ、家(sesami mini名前付け)の鍵をあけて」
「家の確認コードはなんですか?」
「1111(あらかじめ設定した番号)」
「ロック解除しています」
「家をロック解除しました」
まとめ
スマートロックの市場は今後ますます拡大すると予想されます。今回のSESAMI miniは約2万円(本体+wifiアクセスポイント)です。鍵を預けるデメリットを考えると、スマートロックを導入したほうが、利用者側も介護事業所側も安心であると考えています。
※本記事は以前「介護ロボットONLINE」に寄稿した記事をスマートロックの対象を「sesami mini」に変更し、大幅に加筆、修正しました。