介護×IoT

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介護エンジニアがAmazon Echo(アマゾンエコー)のAlexa(アレクサ)スキル「うんこログ」を作った話

Amazon Echoとは

Amazonが発売しているスマートスピーカー(以下「スマスピ」)です。
初めて当ブログでAmazon Echoの記事を書いたのはもう1年半以上前になります。

 

ayanokouji777.hatenablog.com

 

 

 

 

この1年半で、スマスピは急速に普及していきました。
Amazon EchoGoogle Home、LINE Clovaを中心とし、低価格帯の製品も販売されているため、皆さんの中でもお持ちの方も多いのではないでしょうか。

もっとも、「持っているけど、ほとんど使っていない。」や「ラジオとして使っている」といった意見も多いようですが、1年半前の状況と比べると、認知度はケタ違いです。

 

スマスピと連携して操作できる家電も増えてきてますし、出来ることはどんどん増えていきそうです。
以前、Alexaエバンジェリストの方がおっしゃってた「今はスピーカーという形になっていますが、いろんな製品に入れていくことを目的としている。」という言葉どおり、
音声認識、音声操作は今度拡大していくと考えています。

 

今までスマスピの記事をいくつか書いているとおり、音声認識、音声操作は、高齢者、障碍者にもとても有効です。
スマホやPCは使わなくても、会話をすることで、今まで出来なかったことが出来ることこそ、アクセシビリティの高い生活と言えるのではないでしょうか。

 

ayanokouji777.hatenablog.com

 

スキルとは

スキルとは、スマホでいうところの「アプリ」になります。
Google Homeの場合は「アクション」が正式名称ですが、ここでは「スキル」とします。)
Google Play ストア」や「App Store」のように、「Alexaスキル ストア」「LINE Clova スキルストア」があります。
Google Homeはストアという名称はついておらず、「できること」というメニューになります。)

 

スキルは自分でプログラミングすることで開発することができます。
言った言葉に対して、なにかを処理したり、返答したりする部分を自由に開発できます。
今回は、Amazon Echoに対応した、Alexaスキルを開発し、公開しました。

 

なぜAmazon Echo(Alexaスキル)を選んだか

Amazon EchoGoogle Home、LINE Clovaの全てでスキルを開発することができます。
LINE Clovaは最近(2018/07/18)になってスキル開発環境がオープンになったので、
それ以前から開発を考えていたため、LINE Clovaは除外となりました。
(今現在は、Clovaスキル開発を勉強しています。)

 

もともと初めは、Google Homeの開発をしていました。
Google Homeでは、Dialogflowというもので、対話モデルを作るのですが、その操作が直感的でわかりやすかったためです。
また、普段スマスピを使っていて、Google Homeの方が認識率が少し高いように感じたので、どうせ作るなら、Google Homeかなと思いました。

 

ネットで情報を集めつつ開発をしていたのですが、わからないことが多く、正直頓挫してしまいました。

 

しかし、その後、「Alexa Skill Awards(アレクサスキルアワード)(以下、「アワード」)」というスキルのアワードが開催され、
それに伴い、ハンズオン、ハッカソンなどのイベントが多く開催されました。

 

alexaskillawards.jp

 

アワードでは、グランプリの他、部門賞というのがあり、そこに「シルバー部門」なる賞がありました。


高齢者の暮らしを豊かにするスキルを募集します。


ITを使って、高齢者の生活向上を目的としている私の考えに一致するので、これに応募することに決めました。

Amazonのすごいところは、全国各地に「JAWS」と呼ばれるユーザーグループのコミュニティがあり、定期的に勉強会が開かれています。
私も以前からちょこちょこ参加させてもらい、非常に勉強になりました。

 

このコミュニティというものは、介護でいうところの、地域包括ケアシステムの4つの「助(自助・互助・共助・公助)」のうちの互助にあたるものだと考えています。

 

www.city.itabashi.tokyo.jp

 

コミュニティというのは素晴らしい文化だと思います。
今まで参加したコミュニティを運営されている方の中には、
「インターネットに繋がってないコンピューターと コミュニティに参加していないIT業界の人は同義」とおっしゃるほど、今後の社会で重要になってくると思います。
(地域包括ケアシステムとコミュニティについては、いつか記事を書いてみたいと思っています。)

 

うんこログの目的

私が開発したスキル「うんこログ」は、遠距離介護をされている方用に
高齢者宅のトイレで使われることを想定しています。

 

高齢者:「アレクサ、うんこログをひらいて」
アレクサ:「うんこログにようこそ。うんこの色を茶色、赤色、白色、灰色、黒色から教えてね。」
高齢者:「茶色」
アレクサ:「健康なうんこです。すばらしい!(拍手)今日も一日頑張ってね!」

 

高齢者にとっては、毎日トイレでうんこをするときに、うんこの色で健康をチェックします。
私はいずれスマスピは各部屋に配置されるくらいになると考えており、
そうであれば当然トイレにも配置されることになるため、トイレ用のスキルを作りたかったのです。
また、普段はスマスピを使わなくても、トイレという他にすることもないような状況だと
スマスピを使ってもらえるかなと思ったのも理由のひとつです。
IoTも始めのころ、トイレ使用状況確認など、トイレを舞台にすることが多かったですが、これはおそらく電源の確保が容易なためです。

 

上記の会話が完了すると、Amazon.co.jpに登録されているメールアドレスにメールが届きます。
件名:うんこログからのお知らせ
本文:今日のうんこの色は茶色でした。お手すきの時に、ご連絡してあげてくださいね。

 

メールを受け取るのは、遠距離介護をしている方です。
これにより、毎日トイレしているかを見守ることが可能です。

ちょうど、象印の電気ポットを使えば、メールが届く、みまもりほっとラインのトイレ版のようなものです。

 

www.mimamori.net

 

現在、多種多様な「見守り」と呼ばれるシステムが存在します。
靴底にGPSを内蔵したり、離床マットにより高齢者が起床したかを判断しアラームするなどを見ていると、もちろん高齢者のためなのでしょうが、なにか一方的だと感じることがありました。


見守られる方も、健康チェックのためのような、なにかメリットがないと、続けられないかと思い、高齢者、見守り側の双方の生活に寄り添うスキルになってくれればと考えました。

 

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https://www.amazon.co.jp/%E7%A6%8F%E6%9D%91%E6%B5%A9%E6%B2%BB-%E3%81%86%E3%82%93%E3%81%93%E3%83%AD%E3%82%B0/dp/B07GYL1632/ref=sr_1_37?s=digital-skills&ie=UTF8&qid=1535760817&sr=1-37

 

www.youtube.com

 

 

Echo Dot (エコードット) - スマートスピーカー with Alexa、ブラック
 

 

まとめ

今後も介護スキルを開発していきます!
今はLINE Clovaスキルの開発を勉強していますので、出来たらまたご報告したいと思います。

 

Amazon Alexa開発ガイド Alexa対応スキル&AVS対応アプリの作り方 (AI & TECHNOLOGY)

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