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福祉用具届出コードで福祉用具貸与価格の見える化は実現するか

2017年10月実施分から福祉用具届出コードで請求

本日は2017年11月07日ですので、レセプト期間真っただ中かと思います。2017年10月実施分、11月請求分からは福祉用具貸与(および介護予防福祉用具貸与)の請求時にはTAISコードまたは福祉用具届出コードが必要になります。それ以前は、TAISコードまたはJANコード、商品コード(ローマ字(メーカー名 ‐ 商品名))で請求していました。

 

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テクノエイドHPより

福祉用具貸与の単位数

福祉用具貸与以外の訪問、通所、入所サービスなどはその内容により単位数(=金額)が決まっています。しかし福祉用具貸与の価格については、他の介護保険サービスとは違い、単位数が決められていません。そのため、単位数は事業所ごとに異なり、市場価格から乖離した価格をつける悪質な業者も少なからず存在します。それらを適切なものにするため、コードを振ることで状況を把握、「見える化」を目指すのが厚生労働省の考えです。このことは「福祉用具貸与価格の全国的な状況の把握について(介護保険最新情報vol.602)」で通達されました。

http://www.roken.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/08/vol.602.pdf

 

暫定コードは「99999-999999」

前述の「福祉用具貸与価格の全国的な状況の把握について(介護保険最新情報vol.602)」を見てもわかるように、非常にタイトなスケジュールとなっているため、暫定的に「99999-999999」で請求することも可能となっています。

http://www.techno-aids.or.jp/visible/pdf/03_welfare291019.pdf

 

見える化」の目的は?

IT業界では以前から「見える化」というのはバズワードのように使われ、現在ではIT業界にかかわらず、一般的にもつかわれるようになったように思います。「業務の見える化」「稼働率の可視化」などといったように使われています。さて、見える化の目的は何でしょうか。見えること自体は目的ではなく、見えることにより、改善につなげることだと私は考えます。今回の福祉用具届出コード(あるいはTAISコード)では、福祉用具を特定し、全国的な価格の把握をし(=見える化)、価格を適正にすることが目的だと思います。

 

価格を適正=同一価格?

市場価格から乖離した価格をつける悪質な業者はもちろん是正しなくてはいけないですが、全国各地の福祉用具事業所の価格を同一価格にすることはおそらく不可能です。なぜなら、事業所への卸価格は大手と中小では違うのが現実ではないでしょうか。つまり、大手事業所へは大口の顧客となるため、福祉用具の製造メーカは卸価格を抑えることがありえます。対して中小事業所へはそれよりも高い価格で卸されます。卸値が違うのに、貸与価格を一律にしてしまうと、中小の利益がますます減り、結果、中小事業所は事業を持続できなくなります。

 

まとめ

福祉用具は介護サービスの中でも特殊といってよいのかもしれません。「平成29年介護事業経営実態調査結果」においても、他サービス種類と比べても高い利益率となっており、今後も様々な法改正が行われると考えられます。福祉用具のIoT化は今後必須だと個人的には考えており、それと併せて法改正も注視していきます。

 

www.mhlw.go.jp