アクセシビリティの定義
ここ1,2年前から「アクセシビリティ」という言葉を耳にすることが多くなってきたように思います。厚生労働省HPから引用すると、「アクセシビリティとは、年齢や身体障害の有無に関係なく、誰でも必要とする情報に簡単にたどり着け、利用できることをいいます。」とのことです。
WEBだけの話?
IT界隈でアクセシビリティというキーワードを出すと、WEBに関することという認識が多いです。これはとくに「ウェブアクセシビリティ」という言葉があるくらいで、高齢者や障碍者でもWEBからの情報を取得することが可能なように、例えば盲目の方は、音声読み上げでWEBの情報を取得するので、それを考慮してWEB作成するべきとの考えです。「ウェブ・コンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン(WCAG)」という世界的なガイドラインも存在します。
Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0
SkypeとLine
以前こちらの記事で私はSkypeを使うと記載しました。
通常、友人らとの連絡はLIneを使っているのですが、なぜここではSkypeと記載したかというと、Skypeには自動応答という機能があるためです。
この機能により、受信側(要介護側)は何も操作することなく、ビデオ電話をすることが可能です。
要介護側に操作をさせるのは難しい
前述の例であれば、要介護側がスマホをワンタップして、ビデオ電話を開始すれば良いだけのことですが、そのワンタップが難しいのです。もちろん操作ができる方であれば、それに越したことはないですが、基本的には、今までにない動作を強いるのは結局運用していけないと考えています。スマホは多機能で安価な素晴らしいデバイスであるとは思いますが、みなさんも使い始めのころは使いにくいと思っていたのではないでしょうか。慣れたから今は使いこなせてますが、要介護者に慣れろというのは厳しいです。
Amazon Dash Button
スマホのタップに比べて、物理的なボタンを押すという動作であれば、かなりハードルが下がります。IoT界隈で話題となった、Amazon Dash Buttonという製品は、ボタンを押すだけで、固定された商品をAmazonに発注することができるものです。これもスマホやPCでAmazonのサイトから発注するのを、ボタンを押すだけで、その行為を代替しています。ボタンを押すだけ、または洗剤が少なくなったらというなんらかのトリガー(引き金、きっかけ)で発注を行うという自動化、IoT化はすぐにでも実現しそうです。
コミュニケーションロボット
私はコミュニケーションロボットがすぐさま介護に役立つというのにはまだ懐疑的です。まずはコミュニケーションロボットはホームコンシェルジュという役割になれば良いのではないかと考えています。例えば、朝 あいさつをすればあいさつを返してくれる。天気を教えてくれる。息子にテレビ電話かけてと言えばかけてくれる。洗剤が切れたから発注しておいてと言えば、発注しておいてくれる。それが根付けば、次の展開として、介護に特化した活用方法も考えられると思います。ここでポイントとなるのは音声認識、出力です。最強のUIはやはり会話ではないでしょうか(もちろん会話が不可能な方はまた別の方法を検討する必要があります)。会話のやりとりで成立するのはアクセシビリティとしてはとても有効であると思います。
まとめ
要介護者に負担を強いるような方法は長続きしないです。今後、音声認識や感情認識などの機能は確実に向上していくはずで、それにより素晴らしい製品が出てくることを期待しています。