介護×IoT

IT,IoTによる具体的な(在宅)介護への活用方法を発信!

介護エンジニアがAlexaDayで感じたこと

神戸はAlexaの聖地です

みなさん、Alexa Dayというイベントはご存知でしょうか。

2018年から始まり、今回で二度目となります。

私は前回、参加申し込みしながらも、風邪で寝込んでおり、結局いけなかったため、

今年が初めての参加となりました。

毎年、神戸で行われており、「神戸はAlexaの聖地」と言われています。

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Alexa Day2019!

Alexaに関する様々な内容を学習できる!

Amazonの方による、最新動向から、実際に開発して得た知見、スキル開発の方法論など、様々な内容が発表されました。

 

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Amazonの方のセミナー

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「デザインスプリント」という方法論

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既存スキルの圧倒的な解剖、解析

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超実践的な技術講義!

 楽器にAlexaを搭載!?

中でも私が興味をもったのは、楽器にAlexaを搭載したというローランドさんの事例です。電子キーボード『GO:PIANO with Alexa Built-in』というものらしいです。

電子楽器のUIは

  • 操作性が良くない
  • 小さいLCD
  • メニューの下の階層にもぐる必要あり

これらを解決するために、音声による操作を実現していました。

  

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楽器にAVSを搭載

 

Alexa Everywhere

Echoが発売された当初から、Amazonは、今はスピーカーに搭載しているが、将来はどこにでもAlexaが搭載されていることを実現するといっています。

今回はそれが楽器なだけで、よく言われているように今後は自動車など、いろんなものにAlexaは搭載されていくことでしょう。

 

私の専門分野の介護にも有効であると思います。

車いす、杖などのような、福祉用具にもAlexaが搭載され、体の不自由な方、目の不自由な方も、便利に快適に生活できる可能性があります。

私がAlexaなどのVUIに注力しているのは、まさにこの点にあります。

 

来年からは「Voice Con Japan」!

Alexa Dayは来年からは、Voice Con Japanという名称になりそうです。

Alexaだけでなく、Google HomeやClovaなどのスマートスピーカーも対象になるのでしょうか。もちろん私は来年も参加します!

来年は登壇側になれるように頑張ります!

 

 

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VOICE CON JAPAN

 

Google Home(グーグルホーム)+Chromecast(クロームキャスト)で毎朝ラジオ体操をしようとして、挫折した話

Google Homeが一番良い?

 みなさんは、どのスマートスピーカー(スマスピ)を使っていらっしゃるでしょう。

Alexa?Clova?はたまたQUUN?

当ブログで初めてGoogle Homeを紹介して、約1年半が経ちましたが、

音声認識の良さは未だにGoogle Homeが一番かもしれないと思っています。

 

ayanokouji777.hatenablog.com 

スマートスピーカー(スマスピ)+モニターが主流?

現状のスマスピにはモニターが付いているデバイスも多くなってきました。

AlexaにはEcho ShowとSpot。

 

 

ClovaにはClova Deskが存在します。

clova.line.me

 

Google Homeにもモニター付きのデバイス Google Home Hub が存在しますが、今現在、日本では未発売です。

robotstart.info

 

Chromecast(クロームキャスト)をつけると、テレビがモニターに!

Chromecastをテレビにつけることで、Google Homeからテレビでyoutubeを表示することが可能です。

 

Chromecastに名前(例えば、リビングのテレビであれば「リビング」という名前にします。)をつけ、起動させます。

「ねぇ Google リビングでラジオ体操を流して」といえば、例えばテレビがOFFになっていても(もちろん主電源はONである必要があります。)、テレビでyoutubeのラジオ体操が流れます。

 

毎朝youtubeを見ながら、ラジオ体操をしよう!「ねぇ Google リビングでラジオ体操を流して」

介護施設のレクリエーションにももしかしたら使えたりと考え、Google Homeグーグルホーム)+Chromecast(クロームキャスト)で毎朝ラジオ体操をし始めました。

ラジオ体操する際は、やはり映像を見ながら一緒に体操するほうが続きやすいと思います。

 

youtubeで思い通りの映像が流れない

ラジオ体操と一口に言っても、youtubeには様々な動画が存在します。

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youtubeで「ラジオ体操」を検索

個人的には、NHK版がやりやすくて良いのですが、毎回表示されず、個人の方が作成したであろう、ハイテンポなラジオ体操や、ミクスチャーラジオ体操、ただピアノで手元だけを映した動画が表示されました。

「ラジオ体操を流して」

「ラジオ体操第一を流して」

NHKのラジオ体操を流して」

などなど、色々と呼び方を変えたのですが、安定してNHKのラジオ体操第一は流れませんでした。。。

 

結局、スマホ+Chromecast(クロームキャスト)でラジオ体操をしている

ラジオ体操自体は習慣となったのですが、毎朝試行錯誤している時間もなかったので、結局スマホyoutubeアプリでラジオ体操を検索し、検索結果からNHKのラジオ対象を選択、Chromecastで表示という操作をしています。

好きな音楽を流す場合なら、google play musicでリストをつくり、そのリストに自前のmp3ファイルなどを登録、リスト名をgoogle homeに指定することで、思い通りの音楽を流すことができますが、youubeでリストをつくっても、それはできませんでした。

google play musicでリスト作成の詳細は以下の記事を参照ください。)

ayanokouji777.hatenablog.com

 

まとめ

google play music同様、リストで指定できるようになれば、思い通りの映像を流すことができるのですが、その対応はいつか可能なのか、現状調べてもわかりませんでした。

モニター付きのスマスピは色々出てきましたが、やはり大きなテレビでもyoutubeを流してみたいですよね。いつか可能となることを期待して、情報収集していきます。

 

 

 

 

Echo Show(エコーショー)またはEcho Spot(エコースポット)で遠距離介護している両親とビデオ電話をする

Echo Show(エコーショー)/Echo Spot(エコースポット)とは

モニターが付いたスマートスピーカーです。

Echo Showは10インチの四角いモニター、Echo Spotは2.5インチの丸いモニターが付いています。

モニターが付いたことで、今までの音声だけの表現よりも、多くの表現ができるようになっています。

 

 

 

VUIの本質はあくまで音声

スマートスピーカーのような、音声で情報をやりとりすることをVUIと呼びます。

Voice User Interfaceの略で、それに対して、今までの画面を介してのやりとりは、GUI(Graphical User Interface)と呼ばれています。

モニターはついていますが、モニターを指で操作するのが主ではなく、

あくまで操作は音声で行い、その結果の表現をモニターで表示するような使い方が主流です。

 

Echo Show(エコーショー)またはEcho Spot(エコースポット)でビデオ電話

Echo ShowまたはEcho Spotはビデオ電話が可能です。

そのため、遠距離の実家にEcho ShowまたはEcho Spotを配置し、ご自分はスマホのAlexaアプリから行います。

もちろん、ご自分もEcho ShowまたはEcho Spotでビデオ通話を行うことも可能ですが、外出時での利用や、特にEcho Showは27,980と高額のため、まずはスマホでご利用されればと思います。

前述したように、Echo Showは10インチ、Echo Spotは2.5インチであるため、高齢者が使うことを考えると、大きいEcho Showの方がおすすめです。

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Echo Show(エコーショー)

 

Alexaアプリからの方法

電話をかける方がEchoの場合は、「アレクサ、***(デバイスの名前。例えば「実家リビング」)に電話して。」と言えば良いだけです。

スマホのAlexaアプリでは画面下部の「連絡」を選ぶことで、コミュニケーション画面を選び、電話する場合は「コール」を選択し、その後かける対象のデバイスを選択します。

 

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Alexaアプリでコール

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Alexaアプリでデバイスを選択

 

音質は非常に良い

今までにも、連絡を取る方法として、ネットワークカメラの活用をご紹介してきました。

ayanokouji777.hatenablog.com

ayanokouji777.hatenablog.com

これらの場合は一方的にこちらから遠距離介護先の映像は見えますが、むこうからはこちらを見ることはできません。また、音声に関しても、タイムラグが起こるなど、長い会話をするのには現実的ではない状態でした。

しかし、Echoの場合は、通常の電話並みといってよいレベルではないかと思います。なにかを見せながら話をしたいなどのときには、是非Echoを活用してみることをおすすめします。

 

高齢者側は何も操作しなくても良い「呼びかけ」機能

さきほどのAlexaアプリの画面には「コール」以外に「呼びかけ」というものがあります。電話の場合は、高齢者側のEchoからコール音がし、高齢者はそれに対して、「アレクサ、電話をとって」ということで、ビデオ電話が始まります。

高齢者にとって「アレクサ」というのも言いにくい人もいるでしょうし、その場合は、一方的につながる「よびかけ」機能が有効です。

こちらの場合は、応答を待つことなく、映像がつながります。

もちろん、許可する設定が必要。詳しくは公式HPを参照してください。

www.amazon.co.jp

 

まとめ

モニターがついたことにより、スマートスピーカーの可能性はますます広がりました。

今まで、高齢者にないか説明するときに電話での通話だけでは説明しにくかったときも、モニターにより表現力をあげることにより説明できることも増えるでしょう。

また、モニターを使ったスキル(スマートスピーカーのアプリ)も続々増えています。

私もスキル開発者として、介護に活用できる、モニター対応スキルを考えていきます。

ayanokouji777.hatenablog.com

介護エンジニアがAmazon Echo(アマゾンエコー)のAlexa(アレクサ)スキル「うんこログ」を作った話

Amazon Echoとは

Amazonが発売しているスマートスピーカー(以下「スマスピ」)です。
初めて当ブログでAmazon Echoの記事を書いたのはもう1年半以上前になります。

 

ayanokouji777.hatenablog.com

 

 

 

 

この1年半で、スマスピは急速に普及していきました。
Amazon EchoGoogle Home、LINE Clovaを中心とし、低価格帯の製品も販売されているため、皆さんの中でもお持ちの方も多いのではないでしょうか。

もっとも、「持っているけど、ほとんど使っていない。」や「ラジオとして使っている」といった意見も多いようですが、1年半前の状況と比べると、認知度はケタ違いです。

 

スマスピと連携して操作できる家電も増えてきてますし、出来ることはどんどん増えていきそうです。
以前、Alexaエバンジェリストの方がおっしゃってた「今はスピーカーという形になっていますが、いろんな製品に入れていくことを目的としている。」という言葉どおり、
音声認識、音声操作は今度拡大していくと考えています。

 

今までスマスピの記事をいくつか書いているとおり、音声認識、音声操作は、高齢者、障碍者にもとても有効です。
スマホやPCは使わなくても、会話をすることで、今まで出来なかったことが出来ることこそ、アクセシビリティの高い生活と言えるのではないでしょうか。

 

ayanokouji777.hatenablog.com

 

スキルとは

スキルとは、スマホでいうところの「アプリ」になります。
Google Homeの場合は「アクション」が正式名称ですが、ここでは「スキル」とします。)
Google Play ストア」や「App Store」のように、「Alexaスキル ストア」「LINE Clova スキルストア」があります。
Google Homeはストアという名称はついておらず、「できること」というメニューになります。)

 

スキルは自分でプログラミングすることで開発することができます。
言った言葉に対して、なにかを処理したり、返答したりする部分を自由に開発できます。
今回は、Amazon Echoに対応した、Alexaスキルを開発し、公開しました。

 

なぜAmazon Echo(Alexaスキル)を選んだか

Amazon EchoGoogle Home、LINE Clovaの全てでスキルを開発することができます。
LINE Clovaは最近(2018/07/18)になってスキル開発環境がオープンになったので、
それ以前から開発を考えていたため、LINE Clovaは除外となりました。
(今現在は、Clovaスキル開発を勉強しています。)

 

もともと初めは、Google Homeの開発をしていました。
Google Homeでは、Dialogflowというもので、対話モデルを作るのですが、その操作が直感的でわかりやすかったためです。
また、普段スマスピを使っていて、Google Homeの方が認識率が少し高いように感じたので、どうせ作るなら、Google Homeかなと思いました。

 

ネットで情報を集めつつ開発をしていたのですが、わからないことが多く、正直頓挫してしまいました。

 

しかし、その後、「Alexa Skill Awards(アレクサスキルアワード)(以下、「アワード」)」というスキルのアワードが開催され、
それに伴い、ハンズオン、ハッカソンなどのイベントが多く開催されました。

 

alexaskillawards.jp

 

アワードでは、グランプリの他、部門賞というのがあり、そこに「シルバー部門」なる賞がありました。


高齢者の暮らしを豊かにするスキルを募集します。


ITを使って、高齢者の生活向上を目的としている私の考えに一致するので、これに応募することに決めました。

Amazonのすごいところは、全国各地に「JAWS」と呼ばれるユーザーグループのコミュニティがあり、定期的に勉強会が開かれています。
私も以前からちょこちょこ参加させてもらい、非常に勉強になりました。

 

このコミュニティというものは、介護でいうところの、地域包括ケアシステムの4つの「助(自助・互助・共助・公助)」のうちの互助にあたるものだと考えています。

 

www.city.itabashi.tokyo.jp

 

コミュニティというのは素晴らしい文化だと思います。
今まで参加したコミュニティを運営されている方の中には、
「インターネットに繋がってないコンピューターと コミュニティに参加していないIT業界の人は同義」とおっしゃるほど、今後の社会で重要になってくると思います。
(地域包括ケアシステムとコミュニティについては、いつか記事を書いてみたいと思っています。)

 

うんこログの目的

私が開発したスキル「うんこログ」は、遠距離介護をされている方用に
高齢者宅のトイレで使われることを想定しています。

 

高齢者:「アレクサ、うんこログをひらいて」
アレクサ:「うんこログにようこそ。うんこの色を茶色、赤色、白色、灰色、黒色から教えてね。」
高齢者:「茶色」
アレクサ:「健康なうんこです。すばらしい!(拍手)今日も一日頑張ってね!」

 

高齢者にとっては、毎日トイレでうんこをするときに、うんこの色で健康をチェックします。
私はいずれスマスピは各部屋に配置されるくらいになると考えており、
そうであれば当然トイレにも配置されることになるため、トイレ用のスキルを作りたかったのです。
また、普段はスマスピを使わなくても、トイレという他にすることもないような状況だと
スマスピを使ってもらえるかなと思ったのも理由のひとつです。
IoTも始めのころ、トイレ使用状況確認など、トイレを舞台にすることが多かったですが、これはおそらく電源の確保が容易なためです。

 

上記の会話が完了すると、Amazon.co.jpに登録されているメールアドレスにメールが届きます。
件名:うんこログからのお知らせ
本文:今日のうんこの色は茶色でした。お手すきの時に、ご連絡してあげてくださいね。

 

メールを受け取るのは、遠距離介護をしている方です。
これにより、毎日トイレしているかを見守ることが可能です。

ちょうど、象印の電気ポットを使えば、メールが届く、みまもりほっとラインのトイレ版のようなものです。

 

www.mimamori.net

 

現在、多種多様な「見守り」と呼ばれるシステムが存在します。
靴底にGPSを内蔵したり、離床マットにより高齢者が起床したかを判断しアラームするなどを見ていると、もちろん高齢者のためなのでしょうが、なにか一方的だと感じることがありました。


見守られる方も、健康チェックのためのような、なにかメリットがないと、続けられないかと思い、高齢者、見守り側の双方の生活に寄り添うスキルになってくれればと考えました。

 

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https://www.amazon.co.jp/%E7%A6%8F%E6%9D%91%E6%B5%A9%E6%B2%BB-%E3%81%86%E3%82%93%E3%81%93%E3%83%AD%E3%82%B0/dp/B07GYL1632/ref=sr_1_37?s=digital-skills&ie=UTF8&qid=1535760817&sr=1-37

 

www.youtube.com

 

 

Echo Dot (エコードット) - スマートスピーカー with Alexa、ブラック
 

 

まとめ

今後も介護スキルを開発していきます!
今はLINE Clovaスキルの開発を勉強していますので、出来たらまたご報告したいと思います。

 

Amazon Alexa開発ガイド Alexa対応スキル&AVS対応アプリの作り方 (AI & TECHNOLOGY)

Amazon Alexa開発ガイド Alexa対応スキル&AVS対応アプリの作り方 (AI & TECHNOLOGY)

 

 

 

 

 

 

 

 

【介護ロボットONLINE】知らないと損をするかも!ネットでできる介護の情報収集方法

介護ロボットONLINEにて記事を寄稿しました。

約十年間、介護業界で情報収集してきた方法をご説明しております。
まだまだ書きたいことがあるので、あと何回か続く予定です。

お読みいただけると幸いです。

 

kaigorobot-online.com

AWS IoT エンタープライズボタン(AWS IoT Enterprise Button)+IFTTTで家族みんなにLINEメッセージを送る

連絡手段を増やしましょう!

日々、ご家族の介護をされている方は、ひとりで抱え込むことなく、できるだけ多くの協力者をつくって、負担を分担していきましょう。そのために、今までBOCCOやネットワークカメラの記事を書いてご紹介させていただきました。

kaigorobot-online.com

kaigorobot-online.com

 

ユカイ工学 BOCCO ボッコ

ユカイ工学 BOCCO ボッコ

 

ネットワークカメラはこちらから連絡をとれますし、BOCCOは介護が必要な方からも、こちらからも双方向で連絡することができます。今回は、介護が必要な方から連絡するためのガジェットとして、 AWS IoT エンタープライズボタンをご紹介したいと思います。

 

AWS IoT エンタープライズボタンとは

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https://www.amazon.co.jp/AWS-IoT-%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3-%E2%80%93-%E3%82%92%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AB%E3%81%AB%E3%80%82/dp/B075FPHHGG/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1527906395&sr=8-1&keywords=iot+button

ボタンを押すことで、メールやSMS(ショートメッセージ)、独自の処理を行うことができます。一人への連絡ではメールやSMSで良いですが、家族みんなに連絡したいとなれば、LINEのグループへメッセージを送れるようになれば、効果的です。

今回は、IFTTTを利用しLINEにメッセージを送ってみましょう。

 

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IFTTTの設定

ifttt.com

IFTTTのサイトに行き、以下の手順で、WebHookをトリガーとして、LINEメッセージを送る設定を行います。

新しいAppletを作っていきます。トリガーとなる「this」をクリックします。

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「Webhooks」を選択します。

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トリガーはひとつしかないので、「Receive a web request」を選択します。

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イベント名をつけます。今回は母が使うのを想定し、「mother_pressed」という名前にしました。

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これで「this」は完了です。次はアクションとなる「that」をクリックします。

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「LINE」を選択します。

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こちらもひとつしかにので、「Send message」を選択します。

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選択すると、以下のような画面が表示されます。

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「Recipient」に「LINE Notify」を追加しているグループを選択します。

今回は「家族」というグループを選択し、「母さんがIoTボタンを押したよ」というメッセージにしてみました。

(背景色がいきなり変わってますが、これは後から編集で行ったためです。)

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LINEとIFTTTの連携はこちらの記事などを参考にしました。

ferret-plus.com

最後に「Finish」をクリックします。

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ここまででIFTTTは完成していますので、テストしてみましょう。

Webhooksの画面を開き、右上の「Documentation」をクリックします。

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そうすると、keyやHttpレクエストのURLが表示されます。

URLの{event}は先ほど設定した「mother_pressed」になります。

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ブラウザからURLをたたいてみて、LINEにメッセージが来たら成功です。

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AWSの設定

dev.classmethod.jp


こちらのサイトを参考に設定を行います。

ただ、今回はこちらのサイトのようにSMSではなく、Lambdaを実行させます。

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そして、肝心のLambdaの処理は、GetでHttpリクエストを行うだけです。

この部分、プログラミングが必要となりますが、こちらの方をお手本に、URL部分を先のLINEでテストしたURLに変えます。

dstsukky.hatenablog.jp

 

さぁ、AWS IoT エンタープライズボタンを押してみよう

実際の動画がこちらになります。

youtu.be

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。Lamdbaのプログラミングさえ書ければ色々なことが可能です。また、IFTTTを使うことで、そのハードルも下げられます。

 

AWS IoT エンタープライズボタンはBOCCOと違い、電源も不要なため、コンセントがない場所でも使用することが可能です。(Amazonの説明を見る限り2000回まで使用可能なようです。)体が不自由な方でも、ボタンを押すことができれば連絡をとる手段ができるので、有効ではないかと思います。

 

介護エンジニアとして、AWS IoT エンタープライズボタンを介護への活用を今後も考えていきます!

 

紛失防止タグMAMORIOで高齢者を見守る!?

社会問題化する認知症者のひとり歩き(徘徊)

近年、認知症によるひとり歩き(徘徊)が社会問題になっています。

警察庁によると、認知症またはその疑いによる行方不明者が、年間で1万5千人以上存在すると報告されています(*)。また近年では、ひとり歩き中の高齢者が電車にはねられ死亡し、鉄道会社側が家族に損害賠償を求めた例も記憶に新しいです。

*参考:警察庁平成 28年における行方不明者の状況

 

はじまりつつある見守りサービスの実証実験、しかし実用化にはまだ遠い?

そのような社会問題に対して、さまざまな取り組みがなされ始めています。

認知症ひとり歩きによる事故や行方不明者の増加を防止するため、現在、さまざまな市町村、企業、大学で見守りサービスの実証実験を行っています。それらの見守りサービスの、基本的な仕組みは以下のとおりです。

1.介護者はスマホに専用アプリをインストールし、タグ(ビーコン)を登録する。
2.高齢者にタグを持たせる(靴底にタグをつけるようなことも。)
3.街中にあるタグ感知器が高齢者のタグを感知し、タグの位置情報をサーバーに送る
4.街中にいるボランティアのスマホ(あらかじめ専用アプリをインストール済み)もタグを感知し、タグの位置情報をサーバーに送る
5.サーバーから介護者のスマホ高齢者の居場所を通知する

www.alsok.co.jp

 

こうした取り組みは、認知症者の増加にともなって、今後全国に広がっていくと考えられます。しかし、現時点ではまだ実証実験段階ということもあり、実際に活用するにはもう少し時間がかかりそうです。

この見守りサービスと同様の仕組みをもっているのが、実は今回ご紹介する「紛失防止タグ」なのです。

 

すぐ真似できそうな代替案の紹介

紛失防止タグとは、スマホや財布、鍵などにつけておくことで万が一落としたとしても発見率を上げてくれる画期的な製品です。
どういう仕組みかというと、紛失防止タグとスマホBluetoothなどで接続されており、落とした際にスマホとタグの距離が一定以上離れた場合に通知してくれるというものが一般的です。

実際に使っている紛失防止タグの紹介

私が実際に使っているのは、「MAMORIO」という製品です。
ヨドバシ.comやAmazonでいますぐ購入可能です。

 

 

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一般的な鍵より小さいMAMORIO

 

ちなみに以前は「TrackR」という製品を試してみました。

ayanokouji777.hatenablog.com

 

 

MAMORIOの紹介

さきほどの仕組みのとおり、この製品はアプリを使っているユーザーや感知器が多ければ多いほど見守りの目が増えることとなるため、見つけられる可能性が高くなります。

また、MAMORIOはAmazon Launchpadというスタートアップ商品扱うカテゴリでランキング大賞2017に選べれており、大手鉄道会社や商業施設等にMAMORIO Spotと呼ばれる感知機器の導入実績があります。

support.mamorio.jp

 

紛失防止タグの活用方法の考察

介護を実際にしている場合、突発的な対応は日常的に発生します。たとえば、スーパーに要介護者と出かけた際に、トイレに寄ろうとしたが、バリアフリー化したトイレがなかったために、車いすを離れたところに置いたら、車椅子を紛失したことが実際ありました。
今なら、車いすにも紛失防止タグをつけていたら防止できていたかもしれません。

MAMORIOではできませんが、他製品(TrackRなど)でスマホでの操作により、タグから音を鳴らせる機能があります。例えば、転倒しそうになっている要介護者を補助するために、そのとき手にしていたものに意識がいかなく、気がつけば先ほどもっていたものはどこに置いたか忘れることが私にはありました。
そのとき、持っていたものにタグがついていたら、音を鳴らし探せていたかもしれません。

見守りサービスの代替として、紛失防止タグを家族の靴や上着などに着けておけば、見守りの役割を果たしてくれるかも知れません。

 

実際に使ってみたメリット・デメリット

・メリット

小さいサイズのため、いろんなものにつけられる
私は鍵につけて使っています。サイズが小さいので違和感なく持ち運べます。

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MAMORIOのアプリ画面

 

 

・デメリット

Bluetooth接続が途切れるときがある。
スマホBluetooth接続する製品はよくあり、イヤホンなどは普及していると思いますが、環境やスマホとの相性により、なかなか接続できなかったりすることも多く、MAMORIOが近くにあるのにもかかわらず、「近くにありますか?」という通知がくることも多々ありました。Bluetoothイヤホンでたまに音とびするのも困りますが、MAMORIOの場合は、近くにあるのに、たびたび通知が来ることがあり、そうなると結果的に信用しなくなり、本当に紛失したときの通知も見逃してしまう恐れがあります。

 

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近くに会っても、「近くにありますか?」と聞いてくる

 

アプリがいつのまにか終了していることがある。
スマホ上のアプリはバックグラウンドで絶えず起動し、タグとBluetoothで通信を行っています。そのため、スマホによっては数時間たつと、メモリが圧迫したためなのか、いつのまにかアプリが終了していることがありました。紛失した際に、数時間前の位置情報しかなく、それが紛失したときの最後の状態なのか、紛失する前のアプリが終了したときの状態なのか判断ができなくなります。

 

電池交換のタイミングがわからない。
「バッテリー診断」という機能はありますが、私が試した限りでは表示されたことがありません(これも前述のBluetoothの接続相性?)。バッテリー交換は、MAMORIOがBluetoothを発信しているかどうかで判断しているので、遠距離介護の場合だと、要介護者が持っているMAMORIOの状態を把握することができません。私が使った経験上だと8ヶ月ほどで電池がきれました。

 

私の結論としては、現状見守りサービスの代替としては使えません。Bluetooth接続が途切れるときがある」「アプリがいつのまにか終了していることがある」というデメリットは見守りとしては致命的だと考えるためです。また、モノならともかく、見守り対象はヒトであるため、動くとさらに「Bluetooth接続が途切れるときがある」可能性も高いです。

ただ、紛失防止としては使えそうです。デメリットであげた、「Bluetooth接続が途切れるときがある」「アプリがいつのまにか終了していることがある」というのは、タグと自分のスマホの関係でのことで、MAMORIO Spotのような感知機器が公共機関にひろまっていけば、そこから自分のスマホに教えてくれる機能は大変便利です。

 

まとめ

まだまだ使い勝手が良いとは言い切れず、正直お守りのような感覚となっているのが正直なところです。ただ、いろんなところで実証実験を行い、精度が向上していけば、ユーザー数や感知器の設置が増え、見守りや紛失防止に役立てられるはずです。まずは紛失防止として、使ってみてはいかがでしょうか。